【教案】「テーマ別 中級から学ぶ日本語<三訂版>」第1課「まなぶ」

「テーマ別中級から学ぶ日本語」
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CHIYO
それでは、「テーマ別 中級から学ぶ日本語<三訂版>」の教案を書いていきます。主に「使いましょう」の文型導入を中心に書いていきます。基本的な進め方はこちらに書いていますので、よかったら先にお読みください。

使用する教科書について

こちらの3冊を使用します。

こちらが本テキストです。スタイリッシュな見た目になりました。旧版は全25課でしたが、こちらは20課となりました。新出語彙・表現は合計770程度収録してあります。本文の音声は公式ホームページで無料ダウンロードできます。

ワークブック(教科書に沿った練習問題集)です。本冊より厚みがあります。旧版の「聴解I・II」は「聴きましょうA・B」に、「速読」は「読んでみましょう」と言う呼び方に変わりました。

教師用の教え方の手引きです。学生には配布しません。テキスト本冊の練習問題〈答えましょう〉〈使いましょう〉〈まとめましょう〉の解答例があります。新しい語彙・表現や文法項目の教えるポイントも載っています。本冊各課の〈読みましょう〉の音声を収録したCDが付いています。

新しい言葉

(詳しく説明する語彙)

  • 始める:他動詞なので、「〜始める」と使う。自動詞は「〜始まる」
  • 口を出す:他の人の話に割り込んで自分の意見を言うこと。例:子どものけんかに親が口を出す。
  • なぞなぞ:ある物や事柄を遠回しに言ってそれとなくさとらせようとするゲーム。例:「食べると安心するケーキは何?(答え:ホットケーキ)」
  • 広げる:他動詞なので、「〜広げる」と使う。自動詞は「〜広がる」
  • いけない:よくない、ダメだ、という意味。
  • 手を止める:「今していることを一旦止める」という意味
  • 楽しみ:な形容詞「楽しみな予定」など。副詞化して「楽しみにしています」とも使います。
  • ある(日):よくわからないとき、はっきり言いたくないときに使います。例:ある人、ある所
  • 〜(だ)って:伝聞の意味です。カジュアルな表現で、目上の人に対しては使えません

例)佐藤さんも行くだって。/明日は寒いだって。/週末は暇だって。/今日は休みだって。

  • そこで:何か問題があって、それを解決するために「〜した」というとき/特別な機会だったので、〜した という時に使います。

例1)田中さんがなかなか来ない。そこで、彼の家に電話をかけてみた。

例2)好きなイギリスの歌手が来日する。そこで会社を休んで行くことにした。

使いましょう

A-1:<可能動詞の辞書形>ようになる/<可能動詞のない形>なくなる。

  • この文型はみんなの日本語36課で勉強しました。「前はできなかったのに、今はできるようになった」「前はできたのに、今はできなくなった」という意味を表す表現です。
  • 可能動詞を復習してから教えましょう。(みんなの日本語27課
  • 必要に応じて、みんなの日本語19課の「〜なります」の復習もしておきましょう。

<可能動詞の辞書形>ようになる【能力】

T:赤ちゃんです。生まれたばかりの時、言葉が話せませんでした。今年3歳になりました。「ママ、パパ」「おなかすいた」などと話せます・なりました。言葉が話せるようになりました

S:言葉が話せるようになりました

T:リーさんは留学生です。日本に来たとき、テレビの日本語が全然わかりませんでした。一年ぐらい一生懸命日本語を勉強しました、かなりわかります。テレビの日本語がかなりわかるようになりました

S:テレビの日本語がかなりわかるようになりました

変換練習

T:お酒を飲みます

S:お酒が飲めるようになりました

T:やっと試合に出ます

S:やっと試合に出られるようになりました

T:ピアノを上手にひきます

S:ピアノが上手に弾けるようになりました

<可能動詞の辞書形>ようになりましたか。

T:日本語が話せるようになりましたか

S:はい、話せるようになりました/いいえ、まだ話せません。

T:日本語で自分の意見が言えるようになりましたか

S:はい、言えるようになりました/いいえ、まだ言えません

T:言えるようになりたいですか

S:はい

T:日本語で自分の意見が言えるようになったらいいなと思います。

S:日本語で自分の意見が言えるようになったらいいなと思います。

<可能動詞の辞書形>ようになる【環境変化】

私が学生のとき、スマホがありませんでした。今ほとんどの人がスマホを使っています。わからないことはすぐスマホで調べられます。スマホでなんでも調べられるようになりました

S:スマホでなんでも調べられるようになりました

T:20年前、海外旅行へ行くのはとても高かったです。でも今は安い飛行機もたくさんあります。簡単に海外旅行に行けるようになりました

S:簡単に海外旅行に行けるようになりました

T:2017年にリニア新幹線ができます。新しい新幹線ができると、東京から大阪まで1時間で行けるようになります。

S:東京から大阪まで1時間で行けるようになります。

<可能動詞のない形>なくなる。

T:田中さんは今年85歳です。とても元気です。でも小さい字が読めません。小さい字が読めなくなりました

S:小さい音が聞こえなくなりました

T:若いときは人の名前を聞くとすぐ覚えられました。でも最近は言葉を覚えるのに時間がかかります。30歳になってから、人の名前が覚えられなくなってきました。

S:30歳になってから、人の名前が覚えられなくなってきました。

T:昔の川は綺麗で、安全でしたから釣りができました。子どもは川で泳げました。でも今は汚いし、魚もいません。川で釣りができなくなりました

S:川で釣りができなくなりました

T:川で泳げなくなりました

S:川で泳げなくなりました

T:私はコーヒーが好きです。でも飲むと寝られなくなります。寝られなくなったら困るので、夜はコーヒーを飲みません。

  • 使いましょうA-1

A-2:<動詞の辞書形>ようになる/<動詞ない形>なくなる【習慣の変化】

この文型は「新日本語の中級11課」で勉強しました。

<動詞の辞書形>ようになる【習慣の変化】

T:田中さんは去年大学を卒業して、会社員として働き始めました。会社員になってから色々生活が変わりました。忙しいので、外でご飯を食べます・なりました。外でご飯を食べるようになりました

S:外でご飯を食べるようになりました

T:外でご飯を食べるようになって、少し太りました。

S:外でご飯を食べるようになって、少し太りました。

変形練習

T:時々タクシーを使います

S:時々タクシーを使うようになりました

T:英語を話します

S:英語を話すようになりました

T:ビールをたくさん飲みます

S:ビールをたくさん飲むようになりました

<動詞ない形>なくなる【マイナス変化】

マイナス変化はこれまでさらっと教えていたので、この機会に重点を置いて練習しましょう。

T:最近仕事が急に忙しくなりました。朝ごはんを食べません。朝ごはんを食べなくなりました。

S:朝ごはんを食べなくなりました。

T:学生の時は本を読むのが好きでした。今は読みません。学生の時は本を読むのが好きでしたが、最近は読まなくなりました。

S:学生の時は本を読むのが好きでしたが、最近は読まなくなりました。

T:田中さんは両親と一緒に住んでいましたが、転勤で一人暮らしを始めました。去年まで両親と一緒に暮らしていましたが、転勤してから会わなくなってしまいました。

S:去年まで両親と一緒に暮らしていましたが、転勤してから会わなくなってしまいました。

変形練習

T:仕事を辞めてから、化粧をしません

S:仕事を辞めてから、化粧をしなくなりました

T:子どもが生まれてから、夫がたばこを吸いません

S:子どもが生まれてから、夫がたばこを吸わなくなりました

T:この国に来てから、細かいことを気にしません

S:この国に来てから、細かいことを気にしなくなりました

<動詞の辞書形>ようになる【社会習慣の変化】

T:(昔の日本の写真などを見せて)これは昔の日本です。今と随分違いますね。今の人はあまり着物を着ません。洋服を着ます。洋服を着るようになりました

S:洋服を着るようになりました

T:(昔の大きい電話を見せて)これは昔の電話です。今はあまり使われません。携帯電話を持つようになりました

S:携帯電話を持つようになりました

変形練習

T:肉をたくさん食べます

S:肉をたくさん食べるようになりました

T:女の人も働きます

S:女の人も働くようになりました

Q-A

T:日本へ来てから、何ができなくなりましたか。

  • 使いましょうA-2

B:〜がる

この文型は「新日本語の中級」第5課で「欲求」の「〜がる」を勉強しました。この課ではそれに追加して、感情(嫌な/怖い)と感覚(寒い/痛い)を表す形容詞も教えます。

欲求

他人の欲求や感情を述べる場合に使います。他人がしきりにほしいことやしたいことを述べるときに使います。欲求の「がる」は目上の人には使えません。目上の人の場合は「〜がほしいと言っています/そうです」を使います。

<名詞>を欲しがっている

T:私はアイフォンがほしいです。カメラがほしいです。ネックレスがほしいです。皆さんは今何がほしいですか

S:〜がほしいです(学生の答えはメモしておきます)

T:S1さんは「靴がほしいです」と言いました。S1さんは靴を欲しがっています

S:S1さんは靴を欲しがっています

T:S2さん・彼女

S:S2さんは彼女を欲しがっています

T:S2さん・彼女

S:S2さんは彼女を欲しがっています

T:S3さん・車

S:S3さんは車を欲しがっています

T:S4さん・お金

S:S4さんはお金を欲しがっています

<動詞ます形>たがっている

T:私は次の休みに映画をみたいです。すき焼きを食べたいです。皆さんは今何をしたいですか

S:〜たいです

T:S1さんは「うちで寝たい」と言いました。S1さんはうちで寝たがっています

S:S1さんはうちで寝たがっています

T:S2さん・買い物をしたい

S:S2さんは買い物をしたがっています

T:S3さん友達に会いたい

S:S3さんは友達に会いたがっています

T:S4さん・お酒を飲みたい

S:S4さんはお酒を飲みたがっています

<名詞>を欲しがる/<動詞ます形>たがる【一般傾向】

T:私のこどもは一緒に買い物に行くと「おもちゃがほしい」といつも言います。こどもは買い物に行くとおもちゃを欲しがります

S:こどもは買い物に行くとおもちゃを欲しがります

T:女の友達と遊びに行くとみんな「ケーキを食べよう」「チョコレートを買おう」と言います。女性はよく甘いものを欲しがります

S:女性はよく甘いものを欲しがります

T:友達と一緒にご飯を食べに行くと、いつも写真をとります。ご飯、飲み物、デザート・・・全部撮ってから食べます。友達はいつもご飯の写真を撮りたがります

S:友達はいつもご飯の写真を撮りたがります

変形練習

T:女の人・痩せたい

S:女の人は痩せたがります

T:あの人・いつも文句を言います

S:あの人はいつも文句を言いたがります

T:男性・車がほしい

S:男性は車を欲しがります

T:子供・お母さんと遊びたい

S:子供はお母さんと遊びたがります

Q-A

T:皆さんの国の人はどうですか(自分の国の一般的な国民性を発表させる。)

(例)

S:〇〇人は_______________がります。

感情

  • 私が週末の旅行の話をすると、学生は面白がって聞いた。
  • ミラーさんが国へ帰ると聞いて、みんな寂しがっている。
  • あんなに嬉しがっているなんて、何かいいことがあったのだろう。
  • 女の人が階段から転んで、恥ずかしがっている。
  • 買っていた猫が死んで、弟はずっと悲しがっている
  • 友達はたくさん勉強したのにテストが不合格で、残念がっていました。
  • 夫が部屋を掃除するのを嫌がるのはどうしてだろうか。
  • 友達が虫を怖がっていたので、_______________。
  • _________________________、不思議がっています。

感覚

  • 犬が寒がっているようなので、暖房をつけた。
  • 北海道出身の夫は一年中暑がっている。
  • 大丈夫だと思っていたのに。子どもがあまりに痛がるので、病院へ連れて行った。
  • 散歩から帰った犬が体をかゆがっている。

**

  • 使いましょうB



使いましょうC:<動詞て形>はいけない。/<動詞辞書形>といけない。

  • みんなの日本語15課で、〜てはいけません(いけない)」を禁止の意味で勉強しました。ここでは同じ文型を「望ましくないと考える状況にならないように」という意味で教えます。導入の際は「何が望ましくないと思っているのか」を確認しながら練習します。
  • 「〜といけない」の「と」はいつもそうだ、の意味です。ここでは「〜てはいけない」と同じ意味という説明をしておきます。

T:明日は試験の日です。試験は9時からです。もし寝坊したら、どうなりますか。

S:試験が受けられません。今までの勉強が無駄になります。

T:そうですね。寝坊しては、試験が受けられないので、いけませんね。ですから今日何をしますか。

S:早めに寝ます。

T:寝坊しては/寝坊すると いけないから、今日は早めに寝ようと思う。

S:寝坊しては/寝坊すると いけないから、今日は早めに寝ようと思う。

T:友達もアドバイスします。寝坊しては/寝坊すると いけないから、今日ははお酒を飲まないほうがいいよ。

**

T:新しい文法を勉強しました。帰って何もしなかったらどうなりますか。

S:忘れてしまいます。

T:そうですね。忘れたらいけません。何をしますか。

S:復習します。

T:勉強した文法を忘れては/忘れると いけないと思って、復習しておきました。

**

最近仕事が忙しくて残業も多いです。こどもは家に一人でいます。寂しがってはいけないと思います。犬を飼うことにしました。子どもが寂しがってはいけないので、犬を飼うことにしました。

**

優しい父親になりたいです。最近子どもが言うことを聞きません。「部屋を綺麗にしなさい」「勉強しなさい」「早く寝なさい」

子どもを叱りすぎてはいけない/叱りすぎると いけないと思うが、つい口を出してしまいます。

**

海外旅行に行きます。この国はあまり安全ではありません。財布を盗られたら、大変です。

財布を盗られては/盗られると いけないと思って、鞄を前に持って歩きます。

  • 使いましょうC

D:<動詞ない形>ないで/ずに いる。

  • 「本来は望ましいことではないが、事情があってその状態を続ける」という意味です。
  • 「本当は〜しなければいけないのに」という気持ちとそれができない理由をはっきりさせて練習します。
  • 「ないで」は話し言葉、「ずに」は書き言葉的な表現です。
  • 「ない形」は「みんなの日本語」17課で勉強しました。

ダイエットのために、甘いものを食べないほうがいいのはわかっています。でも、チョコレートやクッキーが大好きなのでやめられません。

私は甘いものを食べないで/食べずに いることはできません。

**

この間夫と喧嘩しました。子どもも心配していますから早く仲直りしたいですが、やはり夫が許せないのでできません。

私は夫とけんかして、もう2日も口を利かないで/口を利かずに います。

**

姉は将来イギリスに留学したいと貯金を頑張っています。本当は新しい服や化粧品が欲しいですが、買わないそうです。

姉は貯金するために、欲しいものを買わないで/買わずに いるそうです。

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太郎くんは大学生です。でも勉強せずに遊んでばかりいます。真面目な次郎くんは言います。

若いときに勉強しないで/せずに いると、大人になってから困るよ。

「します」は「せずに」となります。

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最近面倒で歯を磨きませんでした。ある日「痛い!」虫歯になってしまいました。

→何日も歯を磨かないで/磨かずに いたので、虫歯になってしまいました。

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  • 使いましょうD
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