N1の文法92回目です。強制的思いを表す「<名詞>を余儀なくされる/を余儀なくさせる」という文型の意味と例文を紹介しています。
<名詞>を余儀なくされる/を余儀なくさせる
「余儀」は「よぎ」と読みます。「他のこと。 他にとるべき方法。」という意味があります。よって「余儀がない」は「他に方法がない」という意味になります。
- 「 Aを余儀なくされる/を余儀なくさせる」は「(ある出来事や事情で)Aするしかなくなる。」という意味です。
- 「したくないけど、Aをするしかない状況に追い込まれた」という意味があります。
- 「Aを余儀なくされる」は受け身です。主語は人です。(受身動詞はみん日37課で学びました。)
- 「Aを余儀なくさせる」は使役です。(使役動詞はみん日48課で勉強しました。)主語は人じゃなく、出来事や事情がきます。
- また「Aを余儀なくさせられる」という使役受け身(みん日48課)になる場合もあります。
例文
- リーさんはビザの更新がうまくいかず、帰国を余儀なくされた。
- 部品の関税がの引けあげはA社の電化製品の値上げを余儀なくさせた。
- トラブルが起きたため、最初の計画は修正を余儀なくさせられた。
- 旅行中食べたものにあたり、入院を余儀なくされた。
- あの政治家は失言が多く国民の信頼を失い、辞任を余儀なくされた。
- 試合中の怪我は彼に26の若さで現役引退を余儀なくさせた。
- 行政の資金不足は花火大会の中止を余儀なくさせている。
- アメリカ経済の停滞で影響を受けた会社は戦略の見直しを余儀なくされている
- ここで地震が起きたら、やく400万人が避難を余儀なくされる可能性もある。
- 近所に巨大スーパーができ、地元で愛されていた店は次々と閉店を余儀なくさせられてる。
- 消費税が10パーセントになれば、国民は節約を余儀なくされることになるだろう。
【参照】類似する文型
- 〜ざるをえない:【教案】「テーマ別 中級から学ぶ日本語<三訂版>」第11課「つながる」文型A
- 〜(という)ほか(に)〜ない
- 〜てもしかたがない/〜てもしょうがない
- 〜ねばならない
- 〜を禁じ得ない