【教案】「テーマ別 中級から学ぶ日本語<三訂版>」第11課「つながる」

「テーマ別中級から学ぶ日本語」
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テーマ別 中級から学ぶ日本語<三訂版>」の教案を載せています。主に「使いましょう」の文型導入を中心に書いていきます。第11課のテーマは「つながる」です。本文は人間関係に関係するお話です。

新しい言葉

(詳しく説明する語彙)

  • 取り立てる:「〜取り立てる」。「多くの中から特別に取り扱う」の意味。
  • 影をひそめる:「〜影をひそめる」。「姿を見せなくなる」の意味。
  • 身分:ある集団・組織においてのその人の地位や資格のこと。
  • 気安い:気遣いや遠慮などが必要なく気楽なこと。
  • 口を利く:本文では「話す・しゃべる」の意味で使われています。
  • さえ:「極端」の意味です。例)お金がなくて水さえ買えない。
  • 場:「場所」の意味です。例)足の踏み場がない。
  • 反発を買う:自分の主張に対して他の人に反対されること。
  • 扱う:本文では「ある身分・役割・状態にあるものとして接する。」の意味で使われています。
  • タテ:カタカナなのは「上下関係を軸にした人間関係」の意味を表しているためであることを説明します。
  • 廃止する:今行われている制度・習慣などをやめること。
  • 反映する:本文では「あるものの性質が、他に影響して現れること」の意味で使われています。
  • 息がつまる:本文では「緊張で、息苦しくなる」の意味で使われています。
  • 上にたつ:グループの中で、指導者の立場であること。例)上に立つ者として、部下の相談にのる。
  • 一人前:本文では「大人であること」の意味で使われています。
  • 育てる:「〜育てる」、自動詞は「〜育つ」。
  • 結果:1語でも使えるが、前に「名詞+の/動詞」をつける場合もある。例)話し合いの結果、そのプロジェクトを中止することになった。/毎晩勉強した結果、クラスで一番の成績になった。
  • <動詞ます形>つつある:「長い時間の間にだんだん〜している」「少しずつ進んでいる」という意味で、それが進行中であると言うことを表します。(「増えている」は結果、「増えつつある」は進行中)

使いましょう

A:<動詞ない形*>ざるを得ない。

  • 「(事情があって、他に選択肢がないので)〜しなければならない。」という意味です。
  • *「ない形」としましたが、3グループの「する」は「ざるを得ない」となります。
  • 書き言葉で使うことが多いです。

明日は楽しみにしていた沖縄旅行の日でした。でも台風が来てしまいました。残念ですが中止です。

台風で飛行機が飛ばないので、沖縄旅行はあきらめざるを得なかった。

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今晩は飲み会です。今日は頭が痛くて、あまり行きたくないです。でも私が皆を誘いました。行かなればなりません。

→今晩の飲み会は私から誘ったので、行かざるを得ない。

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雨が降って、運動会を中止にしました。子どもたちをがっかりさせてしまいました。

大雨が降って運動会を中止にせざるを得ず、子どもたちをがっかりさせてしまった。

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みんなで考えた計画に社長が賛成してくれません。もう一度始めからやり直さなければなりません。

社長が計画に賛成してくれないのなら、もう一度始めからやらざるを得ないだろう。

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来年から消費税が上がります。お客様のためを思うと残念ですが、商品の値上げをします。

消費税が上がるというので、来年から商品の値上げをせざるを得ないと思います。

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  • 使いましょうA

B:<名詞>さえ

  • この「さえ」は極端の意味です。極端な例を挙げて、「<名詞>さえBだ。だからその他は言うまでもなくBだ」と言うことを表現します。
  • 名詞の後ろに助詞が付くこともあります。例)両親にさえ言えない。これは後件の動詞の種類によります。

遊びすぎて、お金がなくなってしまった。給料日まであと一週間もあるのに、財布には50円しかありません。水も買えません。

お金がなくて、水さえ買えない。(水という安い商品さえ買えない状態だ。もちろんその他のものも買えない。)

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タンさんは日本語が上手です。N1にも合格しました。でも日本に来たばかりの頃は何もわかりませんでした。

日本に来たばかりのころは、ひらがなさえ分からなかった。

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A:彼女と喧嘩してしまったよ。どうしよう。

B:悪いことをしたなら、謝ることだね。こんな簡単なこと、子どもでさえ知っているよ。

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A:パーティーで素敵な人に会ったって聞いたけど本当?連絡先聞けた?

B:ううん。また会いたいと思ったのに、名前さえ聞けなかったよ。

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私は学生時代からタバコを吸っています。皆びっくりするのでなかなか言えません。いつも一緒にいる夫も知りません。

ベランダでたばこを吸っていることは、夫にさえ教えていない。

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  • 使いましょうB



C:<動詞辞書形/ない形・い形容詞い・な形容詞・名詞>にしろ、<動詞辞書形/ない形・い形容詞い・な形容詞・名詞>にしろ〜。

2つの事柄を並べて、それについて話し手が考えを伝える表現です。

<名詞>にする(決定)」の復習をしておきましょう(「みんなの日本語44課」)

例)コーヒーにします。/ツインにします。/ラーメンにします。

代表的な選択肢をあげる

A:高校を卒業したら、どうしますか。

B:まだわかりません。

A:わかりました。就職するにしろ、進学するにしろ、よく考えて決めてください。

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A:ビールぐらいなら、酔いませんよ。

B:ビールにしろ日本酒にしろ、飲み過ぎは体に悪いですよ。

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A:春休みは国に帰る?

B:まだ決めてないよ。日本旅行もしたいし。

A:国に帰るにしろ、日本を旅行するにしろ、お金がかかるなあ。

対立する事柄を並べる

A:ミラーさんの結婚式の招待状届いた?

B:うん。でもちょっと予定がわからないんだ。

A:そうなんだ。出席するにしろ欠席するにしろ、返事は早めに出すべきだよ。

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A:今日は雨だから、学生が結構休みそうですね。

B:ええ。学生が多いにしろ、少ないにしろ、楽しく授業をするだけですよ。

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A:新しい上司、苦手だよ。

B:好きにしろ嫌いにしろ、上司の言うことは聞くしかないよ。

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  • 使いましょうC

D:<動詞た形/名詞+の>上で、〜。

「Aをしてから、Bをする」と言う意味です。Aが全部終わって、それを確かめてから次のことをすると言うことを表すときに使います。

A:来年イギリスに転勤してくれませんか。

B:イギリスですか、子どもの学校のこともありますし、家族と相談した上で、お返事します。

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A:夫がイギリスで働くことになったんです。私も仕事を辞めて彼についていこうかなと思っているんですよ。

B:大切なことですから、よく考えた/もっと彼と話し合った/他の人の意見を聞いた 上で、決めた方がいいですよ。

C:そうですね。

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Bさんは新しいクレジットカードを作りました。

店員:こちらは契約書です。内容をよく確認した上で、契約書にサインしてください。

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<ダイエット商品の説明>

この商品を一ヶ月お使いになった上で全く痩せなかったら、代金をお返しします。

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A:私はイギリスの大学に行きます。

B:え?ご両親はなんて言っているんですか。

A:大丈夫です。イギリスの大学に行くことにしたのは、両親に相談した上でのことです。

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A:あの人はO型だから、きっと優しくてリーダーシップがあるはず。付き合いたいな。

B:血液型なんて信じられないよ。何度かデートした/彼の行動や態度をよく見た 上で判断したらどうですか。

作文

  • ___________た上で、その人と結婚するか決めます。
  • ___________た上で、その会社に入ります。
  • 使いましょうD
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