【教案】「テーマ別 中級から学ぶ日本語<改訂版>」第1課「たとえる」

アイキャッチ 「テーマ別中級から学ぶ日本語」
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それでは、「テーマ別 中級から学ぶ日本語<改訂版>」の教案を始めます。主に「使いましょう」「書きましょう」の文型導入を中心に書いていきます。また授業をしている中で注意した方がいい点や学生から出た回答なども覚えてる範囲で紹介します。基本的な進め方はこちらに書いていますので、まだの方は先にお読みください。

新しい言葉

例える:助詞の説明「田中さん動物例えるなら、〜」

口に出す:いつも言わないけど、話す「単語は口に出して読むと、覚えやすい」

小判:口で説明しにくいので、写真を準備します

並べる:他動詞なので「〜並べる」。自動詞は「並ぶ」で学習済み

答えましょう(自由回答問題)

9.みなさんの国にも「猫に小判と同じ意味の言葉がありますか」

豚に真珠・・・英語で「 It`s like casting pearls before swine.」

牛に琴を弾く・・・中国語で「対牛弹琴」

10.みなさんの国ではどんなのとき動物を使ってたとえて言いますか。

日本語に直して翻訳させます。

名詞修飾型の導入

このテキストでは長い文を練習します。出来るだけ説明を簡単にするために「名詞修飾型」という型を教えておきます。赤字は普通形と違う部分です。

動詞:食べる|食べない|食べた|食べなかった

い形容詞:おいしい|おいしくない|おいしかった|おいしくなかった

な形容詞:親切|親切じゃ(では)ない|親切だった|親切じゃ(では)なかった

名詞:学生|学生じゃ(では)ない|学生だった|親切じゃ(では)なかった

使いましょう

A:<動詞・い形容詞・な形容詞・名詞>の名詞修飾型+とき、〜ようだ/(慣用句)と言います。

「〜とき」の復習をさっとしておきます。(みんなの日本語 第23課

「〜のようだ」(新日本語の中級16)の復習から始めます。

T:これは友達の家です。この家は城のようだ

S:この家は城のようだ

T:このパン・石

S:このパンは石のようです

T:メアリーさん・モデル

S:メアリーさんはモデルのようです

T:佐藤さん・魚

S:佐藤さんは魚のようです

T:これは中国の町です。この町・ヨーロッパ

S:この町はヨーロッパのようです

T:コーヒーを飲みました。このコーヒー・水

S:このコーヒーは水のようです

T:この犬・ライオン

S:この犬はライオンのようです

導入

T:大きい家を見たとき、「城のようだ」と言います

S:大きい家を見たとき、「城のようだ」と言います

T:パンが固くて食べられないとき、「石のようだ」と言います

S:パンが固くて食べられないとき、「石のようだ」と言います

T:上手に泳ぐ人を見たとき、「魚のようだ」と言います

S:上手に泳ぐ人を見たとき、「魚のようだ」と言います

T:背が高くて綺麗な人を見たとき、「モデルのようだ」と言います

S:背が高くて綺麗な人を見たとき、「モデルのようだ」と言います

T:味が薄い飲み物を飲んだとき、「水のようだ」と言います

S:味が薄い飲み物を飲んだとき、「水のようだ」と言います

  • 使いましょうA-123(1番を一緒にする。2番と3番は学生に考えさせる。)

「〜ようだ」以外の言い方も言えます

「慣用句」は忘れている可能性があるので、思い出させながら導入します。

T:「足が棒になった」という言い方はいつ使いますか

S:足が疲れたときです

T:そうですね。たくさん歩いて足が疲れたとき、「足が棒になった」と言います

S:たくさん歩いて足が疲れたとき、「足が棒になった」と言います

T:「顔が広い」はいつ使いますか

S:色々な人を知っています

T:あの人は色々な人を知っていると言いたいとき、「顔が広い」と言います

S:あの人は色々な人を知っていると言いたいとき、「顔が広い」と言います

T:「目と鼻の先」はいつ使いますか

S:とても近いです

T:その場所がとても近いところにあるとき、「目と鼻の先」と言います

S:その場所がとても近いところにあるとき、「目と鼻の先」と言います

T:「お腹がペコペコだ」は?

S:お腹が空きました

T:お腹がとても空いたとき、お腹がペコペコだと言います

S:お腹がとても空いたとき、お腹がペコペコだと言います

T:「喉がからからだ」は?

S:喉がとても乾いたとき、「喉がからからだ」と言います

  • 使いましょうA-4・5(時間がない場合宿題にして、次回の復習時に答え合せをするといいです)
  • 聴解IA

B:たとえ〜ても、<動詞・い形容詞・な形容詞・名詞>の普通形+とは思えません

この時の普通形は「だ」がつかない場合もあります。また各品詞の「〜て」は以下の通りです。

動詞のて形

動詞のない形「なくて」

い形容詞「〜くて」「〜なくて」

な形容詞「〜で」「〜じゃなくて」

名詞「〜で」「〜じゃなくて」

「〜ても」の復習をしておきましょう。(みんなの日本語 第25課

T:AさんとBさんは今日から日本語の勉強を始めました。

A:来年JLPTN1に合格したいなあ・・

B:無理でしょう。まだひらがなもよくわかりません。たとえ一日24時間勉強しても、合格できないと思います

T:「たとえ一日24時間勉強しても、合格できないと思います」をもっと強く言います。「たとえ一日24時間勉強しても、合格できるとは思いません」

S:たとえ一日24時間勉強しても、合格できるとは思いません

T:もっと強く言います。たとえ一日24時間勉強しても、合格できるとは思ません

S:たとえ一日24時間勉強しても、合格できるとは思ません

***

T:リンさんは真面目な学生です。いつも一番早く教室に来ます。病気でも雨でも、遅れたことがありません。たとえ雪が降ります・授業に遅れるとは思えません。たとえ雪が降っても、授業に遅れるとは思えません。

S:たとえ雪が降っても、授業に遅れるとは思えません。

***

A:ボーナスがでたら、車が欲しいなあ

B:そうですか?東京は便利だから、車がなくても、そんなに困るとは思えません

***

T:田中さんの会社は毎日残業があるそうです。家族に会う時間がないそうです。給料はいくらか知りません。でもたとえ給料が良くても、田中さんの会社で働きたいとは思えません

S:たとえ給料が良くても、田中さんの会社で働きたいとは思えません

***

T:Bさんは新しい彼を探しています

A:よかったら私の友達に会いませんか

B:どんな人ですか

A:優しい人ですよ。でもギャンブルが好きで、いつもお金がないと言います。それからお風呂にあまり入らないです。写真を見ますか

B:いいえ。たとえ背が高くてハンサムでも、彼に会いたいとは思えません

***

Bさんは中国人です。JLPTN1を受けたそうです

A:試験はどうでしたか

B:難しすぎます。たとえ日本人でも、あの問題がわかるとは思えません

「いくら〜ても」との違い

たとえ誘っても、田中さんが来るとは思えない。(たとえ≒もし)

いくら誘っても、田中さんが来るとは思えない。(いくら≒何回)

→「いくら」は「どれぐらいたくさん」の意味です。10回誘っても、20回誘っても来ないと言う意味です

作文

たとえ________も綺麗になる/幸せになる/彼があの仕事をする とは思えません。

  • 使いましょうB(自分で考えて、ペアワークで答え合せ)

C:(〜の中で)〜ほど、<動詞普通形/い形容詞い/な形容詞な>+<名詞>はない

T:世界で一番安全な国はどこだと思いますか。

S:日本です

T:日本ほど安全な国はない

S:日本ほど安全な国はない

T:世界で一番おもしろい所はどこだと思いますか

S:シンガポールです

T:シンガポールほどおもしろい所はない

S:シンガポールほどおもしろい所はない

自分の意見を言うときは「と思います」や「でしょう」をよく使います。

T:日本で一番有名な山といえば?

S:富士山です

T:日本で富士山ほど有名な山はないと思います

S:日本で富士山ほど有名な山はないと思います

T:一番リラックスできる所はどこですか

S:自分の家です

T:自分の家ほどリラックスできる所はないでしょう

S:自分の家ほどリラックスできる所はないでしょう

  • 使いましょうC(1番と2番は一緒にする。)
  • 話しましょう
  • まとめましょう
  • 聴解IB(CDを止めながら聴く。最後に教師が読む)



聴解IC:<名詞修飾形(名詞な)>んじゃない?

本当かどうかわからないけど、自分はそう思うと言う気持ちを表します。

A:最近メアリーさん早く帰るね。

B:彼ができたんじゃない?

ペアワーク

A:メアリーさん、遅いですね。

B:電車が遅れてるんじゃない?

問題

例)遅いですね

  1. 元気がないですね
  2. よく残業しますね
  3. 最近テストの点が上がりましたね
  4. (自分で考えます)

聴解IC:<い形容詞く/な形容詞な/名詞>なんか ない/じゃない

「そうじゃありません」と強く言いたい時に使います。

A:日本語って難しいんでしょう?

B:難しくなんかないよ。アニメを毎日見れば大丈夫だよ。

***

A:先週、彼女と歩いているのを見たよ。

B:え?ああ、彼女なんかじゃないよ。妹だよ。


書きましょう

A1:<い形容詞>くて、<い形容詞>くて、だれ(に)でもいいから、<動詞て形>もらいたかった。

「〜てもらいたい」の復習をします。

T:リンさんは日本語で手紙を書きました。自信がありませんから先生に見てもらいたいです

S:自信がありませんから先生に見てもらいたいです

T:ご飯を作りました。とてもおいしいので誰かに食べてもらいたいです

S:とてもおいしいので誰かに食べてもらいたいです

T:ご飯を作りました。田中さんにでもいいです。佐藤さんにでもいいです。誰にでもいです。誰にでもいいから、食べてもらいたいです

S:誰にでもいいから、食べてもらいたいです

T:どうして食べてもらいたいですか。とてもおいしいです。おいしくて、おいしくて、誰にでもいいから、食べてもらいたいです

S:おいしくて、おいしくて、誰にでもいいから、食べてもらいたいです

T:友達に連絡しました「料理を作ったんだけど食べない?」みんな「忙しいと言いました」・・・悲しいです。おいしくて、おいしくて、誰にでもいいから、食べてもらいたかった

S:おいしくて、おいしくて、誰にでもいいから、食べてもらいたかった

T:リーさんはJLPTN1に合格しました。嬉しくて、嬉しくて、誰にでもいいから一緒に喜んでもらいたかった

S:嬉しくて、嬉しくて、誰にでもいいから一緒に喜んでもらいたかった

変形練習

T:忙しいです・手伝います

S:忙しくて、忙しくて、誰にでもいいから手伝ってもらいたかった

T:寂しいです・話を聞きます

S:寂しくて、寂しくて、誰にでもいいから話を聞いてもらいたかった

A1<な形容詞>で、<な形容詞>で、だれ(に)でもいいから、<動詞て形>もらいたかった

T:な形容詞でもいいです。例えば「暇です・電話します」は「暇で、暇で、誰にでもいいから、電話してもらいたかった

S:暇で、暇で、誰にでもいいから、電話してもらいたかった

T:赤ちゃんが元気です・一緒に世話をします

S:赤ちゃんが元気で、元気で、誰にでもいいから、一緒に世話をしてもらいたかった

  • 書きましょうA1

A2:<い形容詞>くて、(比喩表現)ほどだった

  • 「ほど≒ぐらい」です。先に説明しておきましょう。
  • 「<い形容詞>くて」の他に、「<な形容詞>+で」、「動詞のて形」も使えます。

「〜そう」の復習をします。(みんなの日本語43課新日本語の中級16課

例)落ちそう、消えそう、雨が降りそう、倒れそう、寝てしまいそう

***

T:昨日「リング」を初めて見ました。怖かったです。どれくらいですか。泣きそうでした。昨日見た映画は、怖くて泣きそうなほどだった

S:昨日見た映画は、怖くて泣きそうなほどだった

T:昨日の夜急にお腹が痛くなりました。お腹が痛くて、倒れそうなほどだった

S:お腹が痛くて、倒れそうなほどだった

T:昨日初めてマッサージを受けました。気持ちが良くて、寝てしまいそうなほどだった

S:気持ちが良くて、寝てしまいそうなほどだった

比喩表現のパターン

→「ほど」の前は自分でコントロールできない表現が来ます。主に以下の4パターンになります。

忙しくて、

  1. 倒れそうな
  2. 泣きたい
  3. 病気になる
  4. ご飯が食べられない

ほどだった。

「〜のようだ(みたいだ)」とは使い方が違うので注意です

○暑くてオーブンの中にいる ようだ/みたい だ。

×暑くてオーブンの中にいる ほど だ。

***

○暑くて暑くて服を全部脱ぎたい ほどだ。

×暑くて暑くて服を全部脱ぎたい ようだ/みたいだ。

  • 書きましょうA2

B:<動詞のた形>ら、<普通形(過去)>ので、い形容詞くて/な形容詞で/動詞て形+ほどだった

T:テレビをつけました・友達が出ていました・驚いて、声が出ないほどでした。テレビをつけたら、友達が出ていたので、驚いて声が出ないほどだった

T:家へ帰りました・隣の人がカラオケをしていました・うるさいです・寝られません。家へ帰ったら、隣の人がカラオケをしていたので、うるさくて、寝られないほどだった

  • 書きましょうB(1番は確認のため一緒にする)
  • 聴解IIAB
  • 速読「テーブルにも足がある?」
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