N1の文法28回目です。付随の意味を表す「<名詞/動詞ます形> がてら」という文型の意味と例文を紹介します。
1.<名詞/動詞ます形> がてら、〜
「Aがてら、B」の一つ目の意味は、「Aのついでに、その機会を利用してBする。」という意味です。
例)夕涼みがてら、花火でもしようか。
→夕涼みというメインの目的をする機会に、花火という他のこともするという意味です。がてらの前には移動動詞(散歩・買い物など)が来ることが多く、移動動詞じゃなくても移動の意味が含まれます。
例文
- 散歩がてら、コンビニで明日の朝ごはんを買う。
- 友人を駅まで送りがてら、買い物してきた。
- 買い物がてら、近所の叔母の家に寄る。
2.<名詞/動詞ます形> がてら、〜
「Aがてら、B」の2つ目の意味は、「Aという目的でBする。」という意味です。AはBの場所で達成する目的が入ります。
- BはAの目的の場所へ向かうという意味ですが、Aの達成だけでなくそれ以外の目的も含んでいます
例文
- 祖母の顔を見がてら、大阪を訪れた。
- 挨拶がてらおばさんのうちにいく。
- 休養がてら、旅行する。
- 近くに参りましたので、先日のお礼がてら、お伺いしました。
- 新作の料理をテストがてら、家族に作ってあげた。
参考
「がてら」と近い表現の「ながら」「ついでに」「かねて」について
A<動詞ます形>ながら、B。(みんなの日本語28課)
意味:AとBが並行して同時に行われる。Bがどのような状態で行われるのかをAで表す。BがメインでAはサブ。
例文:ポップコーンを食べながら、映画を見る。
***
A<名詞/動詞辞書形・た形>ついでに、B。(新日本語の中級20課)
意味:Aの機会を利用して、Bする。Aが目的で、その機会にBをするという意味。AがてらBには移動を伴う文という制約があるが「ついでに」はない。
例文:シャワーを浴びるついでに、床を掃除した。
***
A<名詞>と<名詞>をかねて、B。A<動詞辞書形>のをかねてB。
意味:Bをすることが目的だが、それにはAというもう一つの目的もある。AとBは同じ程度の重要性を持った目的。(メイン、サブの関係が弱い)
例文:日本語の勉強を兼ねて日本のドラマを見る。新婚旅行をかねて、ハワイで結婚式をする。