N1の文法53回目です。理由を表す「<普通形*/名詞(の)>ゆえ(に)」という文型の意味と例文を紹介しています。
<普通形*(が)/名詞(の)>ゆえ(に)
*普通形としましたが、以下は変則的なので注意します。
- な形容詞:な形容詞
だ→な/である - 名詞:名詞
だ→な/である(「な」がつかないこともあります。)
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また「名詞修飾型」という型を教えているのなら、「名詞修飾型+ゆえに」と一言で説明してもいいです。学生が理解しやすい説明を選びます。
参考:<名詞修飾型>
動詞:食べる|食べない|食べた|食べなかった
い形容詞:おいしい|おいしくない|おいしかった|おいしくなかった
な形容詞:親切な|親切じゃ(では)ない|親切だった|親切じゃ(では)なかった
名詞:学生の|学生じゃ(では)ない|学生だった|親切じゃ(では)なかった
「Aゆえ(に)B」は「AだからB。」という意味です。
- 古い書き言葉で、手紙やあらたまった場面で使います。
- 形容詞は名詞化して<ーさゆえに>という形になることも多いです。(形容詞の名詞化についてはこちらをご参考ください。)
- 名詞に接続する場合「ーゆえの<名詞>」となります。
例文
- 専門家は水が存在した証拠があるゆえ、火星には生物がいた可能性が高いと述べた。
- 失敗を恐れるゆえに、挑戦しない若者が増えてきている。
- 人間は異なる考えを持つがゆえ、ちゃんとコミュニケーションをとることが重要なのである。
- 老後の資金が足りないゆえ、現在の若者は死ぬまで労働することが当然になるだろう。
- この辺は人口密度が高いゆえ、不動産の価値は下がりにくいと予想される。
- 失敗した経験も役に立つのは、若いゆえの特権だ。
- 彼の家は貧しかったゆえ、進学をあきらめざるを得ませんでした。
- 彼女がストレスをためやすいのは真面目 である/な ゆえです。
- 彼女は女性であるがゆえに歌舞伎役者になることはできなかった。
- 急な話ゆえ、驚くのも当然のことだ。
- 彼は特別番組で天才であるがゆえの悩みを打ち明けてくれた。