N1の文法91回目です。強制的思いを表す「 <名詞>を禁じ得ない」という文型の意味と例文を紹介しています。
<名詞>を禁じ得ない
「禁じ得ない」は「きんじえない」と読みます。
- 「 Aを禁じ得ない」は「Aという気持ちを抑えられない。」という意味です。
- Aには感情がある名詞が入ります。
- 書き言葉で、改まった場面で使います。
例文
- 戦争中の兄弟の様子を描いた映画を見て、涙を禁じ得なかった。
- この品質のコートがたった5000円だなんて、驚きを禁じ得ない。
- なんの罪のない人々を無差別に切りつけた犯人には怒りを禁じ得ない。
- 昨日の夫のびっくりした顔を思い出して、仕事中なのに笑いを禁じ得ない。
- 70歳ともなると出会いより別れの方が多く、悲しみを禁じ得ない。
- 仕事で30日間ずっと休んでいない同僚には同情を禁じ得ない。
- 静かなカフェで大声で話す人がいて、苛立ちを禁じ得ない。
- 先生が怒っているのに彼がこっそり変な顔をしていて失笑を禁じ得なかった。
- その事件に対するメディアの報じ方には違和感を禁じ得ない。
【参照】類似する文型
- 〜てしかたがない/てしょうがない
- 〜てたまらない:「テーマ別 中級から学ぶ日本語<三訂版>」第5課「あきれる」(文型B)
- 〜てならない:「テーマ別 中級から学ぶ日本語<三訂版>」第18課「はなれる」(文型B)
- 〜ないではいられない/ずにはいられない
- 〜にたえない