N1の文法47回目です。目的の意味を表す「<動詞ない形>+んがため(に)、〜」という文型の意味と例文を紹介します。
<動詞ない形>+んがため(に)、〜
「ない形」の接続について
- 3グループの「します」は「しんがために」ではなく、「せんがために」という形になります!
後件の接続について
「〜せんがため」「〜せんがために」は同様に使えます。名詞につなげる場合は「〜せんがための<名詞>」となります。
「Aんがために、B」は「AするためにBする。」という意味です。「Aの目的を達成する」という強い意志を表します。
Aの部分は意志動詞が入ります。意志動詞とその対の無意志動詞についてはは「みんなの日本語36課」で勉強しました。忘れている場合、ここでも復習します。
- 意志動詞:自分でコントロールできる動詞。(行きます、食べます、勉強します、など。)
- 無意志動詞:コントロールできない動詞。(可能動詞、見えます、わかります、など。)
Bの部分も自分が意志を持ってする行為が入ります。
相手に対する働きかけの文(〜てください、〜しろ、〜ましょう、〜なさい)などは使いません。
古い言葉で、日常には使いません。
書き言葉や、スピーチなどの場面で使います。文型の硬いニュアンスが伝わるように、例文も日常的なものを出すのは避けましょう。
例文
- 彼は多くの命を救わんがために、何千ものビザを用意した。
- 香港の人々の権利を守らんがため、今こそ日本政府は行動すべきだ。
- 監督としての責任を果たさんがために、選手とともに頑張りたいと思います。
- 祖母はより長く生きんがために、胃の手術をすることにしました。
- 今回の選挙に勝たんがため、毎朝5時に駅前で演説を行った。
- 多くの留学生は学費と生活費を得んがために、深夜までアルバイトしている。
- 夢を実現させんがために、会社を辞めることにした。
- ハリウッド映画を完成させんがための資金は、一本100億円になることもあるそうだ。