N1の文法52回目です。理由・原因を表す「<動詞の辞書形/た形/て形いる・名詞の>てまえ、〜」という文型の意味と例文を紹介しています。
【N1文法】動詞の辞書形/た形/て形いる・名詞の>てまえ、〜
「てまえ」は漢字で「手前」と書きます。「人が見ている前。他人に対する自分の立場」という意味があります。
「Aてまえ、B」は「Aしてしまったから、Bしなければならない。」「Aという立場・人」を意識するから、Bしないと自分の評価が下がってしまう」という意味です。
- 後件Bには「なければならない(みんなの日本語17課)」「わけにはいかない(中級から学ぶ日本語17課)」「ざるをえない(中級から学ぶ日本語11課)」などの行動を強制(制限)するような文がきます。
- 「他の人の気持ちや社会的な評価を考えて、(気が進まないけど)Bする」という時に使います。
例文
- これだけ多くの人に支援してもらう手前、選挙に勝たないわけにはいかない。
- こちらから誘った手前、デート代は割り勘にしようとは言いにくい。
- 友人の相談を聞いてしまった手前、面倒であっても助けざるを得ません。
- 国民に約束した手前、問題解決に全力を尽くさなければならない。
- 友達が紹介してくれた手前、1ヶ月で彼と別れたことは知られたくない。
- いつも助けてもらっている手前、今回の依頼を断ることはできない。
- 言いたいことは山ほどあるが、子どもが見ている手前けんかするわけにはいかない。
- 学生の手前、知らない漢字を電子辞書で引くのは体裁が悪い。