シンガポールの妊娠・出産事情は日本と全然違う
予定日がほぼ同じ、シンガポール人の友人と久しぶりに電話をしました。
お互いの体調の変化や国の制度などについて1時間近くも話しこんでしまいました。
生活水準が近い国ですが、諸制度について、色々日本と違ってびっくり!20代前半に正社員として働いていた頃は、合理的で男女平等な国だなあ、といいところばかりみえていましたが、正直妊婦にはきついこともあるなあと思いました。
日本・シンガポール間の子ども事情の色々な違いについて紹介します。シンガポールのデータは一人だけなので、そうじゃないパターンもいろいろあると思います。ある銀行員キャリアウーマン(正社員)の場合としてお考えください。
出産費用/普通の病院の場合
日本:検査含め病院の費用は60万程度ですが、公的補助があるので自分で払うのはざっと20万ぐらいです。なお出産までの各月の検診は母親だけで行く家庭が多い。
シンガポール:70万、全額自費。有名な病院になると、120万円自費だそうです。検診は父親も休みを取っていく家庭が多い。
会陰切開*
*会陰切開(えいんせっかい)の意味がわからない人はご自身で調べてください・・。
日本:世界の中でも会陰切開率が高い国といわれている。すでに出産した友人たちの話でも普通に切っている。
シンガポール:しない方が普通。する場合は緊急事態など。
産休、育休期間【正社員の場合】
日本:出産6週間前から産休にはいり、産後8週間の休み。育休は子どもが1歳になるまで。休みの間会社の保険から元の給料の3分の2ほどの給付金がでる。保育園がない場合などはさらに伸びる。条件を満たしていれば、社会保険から給料の3分の2ほどが支払われる。
シンガポール:出産2ヶ月前から産休にはいり出産後3ヶ月で復帰。条件を満たしていれば、16週間は有給で会社もしくは政府からお金をもらえる。
母親を手伝う人
日本:里帰り出産する人が多い。母方の母が多い。状況によっては義母も参戦する。どちらも手伝えない状況なら一人で育てる。父親が手伝うかどうかは父親の仕事の状況、会社の風土による。
シンガポール :3ヶ月で通常に復帰するため、プロのお世話役(「ナニー」と呼ばれます。)を他国から雇う。言語が通じる人は費用高め。友人は節約のため英語が話せない人で妥協する予定。
母乳/粉ミルク
日本:母乳が出るなら母乳で育てていくのが普通。出にくい体質の場合や量が足りない分は粉ミルクで補う。3時ごとに授乳する。アマゾンで調べたところ、粉ミルクの値段は800gで2300円ほど。母乳100パーセントの場合はミルク代はかからない。母乳が全く出なかった場合、1ヶ月にかかる費用は9000円ぐらい。
シンガポール:粉ミルクが基本で、母乳で補う。粉ミルクの値段は800gで5000円ほど。1粉1ヶ月にかかる費用は15000円程度。復帰後の母親はミルク代を浮かすべく職場のトイレの個室や、デスクで搾乳する。そのため、シンガポールの職場の冷蔵庫には、瓶に入った母乳がよく陳列されている。
なお、デスクで搾乳する場合は搾乳器付きブラを使用する。となりの女性がこっそり搾乳しているときに「シュー、シュー」という音がするらしい。が、皆忙しいので気づかないふり。
性別の判断
日本:エコーで外性器をみて判断する。そのため結果が2転、3転したり、見間違えることがある。トラブルの元になるので性別の伝え方は非常に慎重にする。生まれるまで伝えない医者、聞かない妊婦もいる。
シンガポール:血液検査で判断。一緒にダウン症検査もする。妊婦の家族からも男がいい、女がいいという個人的な意見は普通にきく。
3種混合ワクチン
日本:生後3ヶ月から接種していく。
シンガポール :妊娠中に接種する。生まれる前に打つようになったのはごく最近のこと。世界の新しい技術はすぐ取り入れる。
実際働く女性はどう思っている?
と、こんな事情の違いが聴けました。日本と生活水準が近くても、子育て制度は結構ちがいますね。日本に残る、性差別から生まれる諸所の問題で苦しんでいる人たちには羨ましく感じることが多いかもしれません。ただ、実際妊娠した身からすると、シンガポールは妊婦の身体の負担という概念があまりないのだなと感じました。つわりなんてもはや見ないふりして乗り越えるしかない。
当事者である友人にどうなの?と聞いてみたところ、「子どもは楽しみだけどとにかくお金がかかるし、休めないし大変でしかない。日本はいろいろ安くていいなあ・・。」とのことでした。
そうくるかあ・・。