【教案】「テーマ別 中級から学ぶ日本語<三訂版>」第6課「つたえる」

CHIYO
テーマ別 中級から学ぶ日本語<三訂版>」の教案を載せています。主に「使いましょう」の文型導入を中心に書いていきます。第6課のテーマは「伝える」です。本文は言葉の伝え方について書かれています。

新しい言葉

(詳しく説明する語彙)

  • 蒸し暑い:「湿度高く、風がなくて暑い」意味。
  • 特急:「特急」「準急」「普通」などの電車の種類があることを説明します。
  • 乗車する:「(電車・バスなど)乗車する」の形で使います。
  • 必要な:「〜が必要 だ/がある」なども使えます。例)毎日運動する必要がある。
  • ちょっとした〜:「小さな」と言う意味と「かなりの」と言う意味があります。例)本を借りたので、ちょっとしたお菓子を渡した。/あの事件の後、彼はこの街ではちょっとした有名人になった。
  • 気にかかる:「〜気にかかる」と使います。「なんとなく心のどこかで引っかかっている」と言う意味です。例)友達の様子がおかしかったので、ずっと気にかかっている。似た意味の「気にする」は「心に留める、大丈夫かなと思う」と言う意味で、意識して心に留めている点が違います。例)メアリーさんは中学生になって、人の目を気にするようになりました。
  • 気に入る:「〜気に入る/入っている」と使います。「〜がお気に入りだ/お気に入りの<名詞>」という用法もあります。
  • 離れる:「〜を/から 離れる」と使います。
  • 投書する:意見・苦情などの書状を関係機関に送ることです。例)ラジオ番組に投書する。
  • うんざりする:「〜うんざりする」と使います。物事に飽きて、嫌になると言う意味です。
  • 目にする:「たまたま見る」と言う意味です。
  • 確か な/に:間違いなく、はっきりしたことだという意味です。

使いましょう

A:<名詞>*とか、<名詞>とか、〜

  • *「とか」の前は名詞の他に<動詞・い形容詞・な形容詞・名詞>の普通形も使えます。また普通の文も使えます。
  • 伝聞の意味と間違えないように注意します。(例:ニュースで明日の試合は中止だとか言ってるよ。)

A:どんな映画が好きですか。

B:そうですね。アクションとか、SFとか好きです。

**

A:今日は何を買いたいの?

B:かわいい服とかかばんとか買いたいなあ。

**

A:大学の生活はどう?

B:授業の準備とか、アルバイトとかで、毎日やることがいっぱいだよ。

**

A:Cさん、結婚してご主人とアメリカに行くそうだよ。

B:そうなんだ。あ、Dさんにお子さんが生まれたそうだよ。

→最近は、同僚が結婚するとか、知り合いに子どもが生まれたとか、嬉しいニュースが多いです。

**

A:仕事が大変で、よく眠れないんだ。

B:スポーツをするとか、大声で歌うとかして、ストレスを溜めない方がいいよ。

**

A:今の仕事に不満はありますか。

B:そうですね、通勤が大変だとか、給料が安いとかでしょうか。

**

美術館のパンフレットには色々な注意書きが書いてあります。「タバコを吸うな」「ご飯を食べるな」「飲み物を持つな」。美術館のパンフレットにはタバコを吸うなとか、ご飯を食べるなとか書いてあります。

**

  • 使いましょうA

B:<名詞/文(普通形)>といっても、〜。

  • その言葉から想像されるイメージと現実がずいぶん違っているという意味です。
  • 会話文では「〜といったって」も使います。
  • 〜たって」も使えます。(例:宝くじに当たったたって、300円だよ)。主に男性が使うときが多いです。かなりラフな言い方なので、聞かれたら説明する程度に留めます。

A:リーさんは社長です。

B:へえ凄いですね!

A:社長といっても、社員は3人だけですよ。

B:え・・あ・・・そうですか。

**

A:Cさん、宝くじが当たったんだって。

B:へえ、すごいなあ。うらやましいなあ。あ!Cさん!聞きましたよ。宝くじが当たったんだって?

C:ええ、まあ。当たったといっても1000円ですよ。

B:それだけですか・・・

**

A:中国語が話せるそうですね。

B:いえいえ、話せるといっても、仕事で使えるほどではありません。

A:それでも凄いですよ!

**

A:ドイツに出張するの?すごいね。

B:いえ、出張といっても、先輩の手伝いをするだけで、特別なことはしません。

**

  • 使いましょうB


C-1①:<動詞辞書形/動詞ない形>ものだ

ポイント

ここでは注意、アドバイスの意味で教えるので、「ものだ」の前の品詞は「動詞の辞書形とない形」に限定します。

知識

  • 名詞は「〜という」をつけると使えます。(例:礼儀というものだ)
  • 「<名詞>であるものだ」は役割・立場・状態を表す場合に使います。
  • 「〜ものじゃない」は批判っぽくなります。

社員:遅れてすみません。

課長:どうしたんだ。みんな心配していたよ。

社員:電車に乗り間違えてしまったんです。

課長:分かった。でも、遅れるときは連絡するものだよ。

***

女の人A:今度の結婚式、この服着て行こうかな。

女の人B:え?結婚式で白い服を着るのは花嫁さんだけだよ。

女の人A:そうなの?私の国では普通だよ。

女の人B:日本では、参加する人は白い服を着ないものなんですよ。

練習

T:ご飯を食べる前は?

S:「いただきます」というものです。/手を洗うものです。お菓子を食べないものです

T:ご飯を食べた後は?

S:「ご馳走さま」というものです。/歯を磨くものです

T:友達の家に招待されたときは?

S:お土産を持っていくものです/時間を守るものです

C-1①:<動詞/い形容詞/な形容詞 の名詞修飾型>ものだ

  • こちらの文型は「本当に〜だ」という意味で、話している人の驚きや「すごい」という気持ちを表します。形容詞が使われることが多いです。
  • C-1①もC-1②の「ものだ」も「他の人も同じように思う」という意味を含むので、深いレベルでみると同じ意味です。
  • 文型導入の前に「ずいぶん」の意味を確認しておきましょう

→ずいぶん:思っていた以上に程度や量が多い

一般的な意見(他の人も同じ考えだろうという前提)

A:もう12月だね。今年が終わっちゃうよ、

B:本当だね。時間が過ぎるのは速いものだね。

**

A:昨日髪が一本白くなってたんだ。

B:私なんてよく見つけるよ。年を取るのは嫌なものだなあ。

***

そう聞いていたけど、本当にそうだなと実感した

A:Bさんのお子さんももうすぐ大学卒業ですね!

B:はい、この前小学校に入ったばかりだと思っていたのに・・・

A:子どもはすぐに大きくなるものですね。

***

長い間そう思っている(自分の中での一般化)

A:中国語を勉強し始めたんですが、難しいですね。

B:新しい言葉は毎日練習しても、なかなか覚えられないものですよ

***

過去の経験の有無に関係なく、びっくり

A:この町に住んでいたのはいつ頃ですか。

B:10年以上も前ですよ。この町もずいぶん変わったものですね

***

  • 使いましょうC-1

C-2:<動詞辞書形>ものではない

「一般的な常識から考えて〜という考えは間違っている。」という意味です。

A:初めまして。Bさんはおいくつなんですか。

B:え・・・

C:初めて会う女の人に年齢を聞くものではないよ。

**

子ども:クラスの太郎くん、本当に頭が悪いんだよ!

母:やめなさい。人の悪口をいうものではありません。

**

弟:あの人顔が怖いから、友達になりたくないよ・・・

兄:話もせずに、人を判断するものではないよ。

**

部下:すみません。遅れました。

部長:大事な会議があるときは、遅れるものではないよ。

**

兄:あそこ何かいるよ〜おばけかなあ!

妹:ふえええ・・

母:妹を怖がらせる/泣かせる ようなことを言うものではありません。

**

A:ゴホッ・・レポート・もうちょっとで終わります。

B:後はやっておくよ。風邪をひいているのに、無理をするものではないよ。

  • 使いましょうC-2

D:<動詞た形/>つもり だった が/ので、〜。

思いこみ/勘違い

T:田中さんは寝坊したので、急いで準備しました。ご飯を食べて、シャワーを浴びて、エアコンを消して、出かけました。夜、会社から帰りました。「あれ、エアコンが消えていない。」

→エアコンを消したつもりだったが、消えていなかった。

***

A:これひとつください。

B:はい、3000円です。

(家へ帰りました)

A:あ!これはMサイズだ!間違えた。

買ったのはLサイズのつもりだったので、Sサイズの服を持って帰ってきてしまった。

**

A:風邪はもう治ったんですか.

B:ええ、もう大丈夫です。・・・ゴホッ!

A:今日は帰った方がいいですよ。

自分では大丈夫なつもりだったので、会社で咳が出たときは驚いた。

自分と他人との違い

A:今日の顔、どう?

B:ん?いつもと同じじゃない?

綺麗に化粧したつもりだったが、彼にいつもと同じだと言われた。

***

A:レポートができました。みてください。

B:こことここが変だね。もう一度書き直してくれる?

A:え・・・わかりました。

自分ではよくできたつもりだったので、部長にレポートを書き直すように言われるとは思わなかった。

  • 使いましょうD
Chiyo

日本語研究家、ブロガー、母1歳。 関西出身。神奈川育ち。20歳の夏カンボジアで出会った日本語ペラペラの現地ガイドに衝撃を受け日本語教師の道へ。慶應大学卒業後シンガポール3年半→フィリピン半年→共同通信系(アジア経済)記者→日本語別科助教。 2018.9.13 結婚、セブにて挙式 2019.11.21 女の子出産 お仕事の依頼はブログのお問い合わせフォームからお願いします!

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