N1の文法55回目です。不可能の意味を表す「〜に〜ない/〜(よ)うにも〜ない」という文型の意味と例文を紹介しています。
〜に〜ない/〜(よ)うにも〜ない
接続・型は2通りあります。(否定形とは、「〜ない、〜ず」という言い方のことです。」
- 動詞の辞書形+に+可能動詞の否定形
- 動詞の意向形+にも+可能動詞の否定形
「Aに(も)Bない」は「Aしたいけど、理由・事情があってできない。」という意味です。
- 基本的に同じ動詞を繰り返して使います。ただ「意向形にも〜ない」の方は違う動詞が来ることもあります。
- グループ3の動詞の場合、「〇〇するに、〇〇できない」はくどいので、「〇〇するに、
〇〇できない」と2回目の言葉を省略する方が自然です。 - 「動詞の辞書形+に+可能動詞の否定形」は心理的な理由で何かができない時、
- 「動詞の意向形+にも+可能動詞の否定形」は物理的・身体的な理由である場合が多いです。
例文
動詞の辞書形+に+可能動詞の否定形
- 期待していたチームがバトンミスで決勝に出られなかったのは、泣くに泣けないよ。
- 部長には相談にのってもらったので、やっぱり仕事を辞めたいなど言うに言えない。
- 上司や先輩が皆残業すると言うから、私も帰るに帰れない。
- この服はずっと着ていないが、色々な思い出がありすぎて捨てるに捨てられない。
- 明日からまた忙しい日々が始まると思うと、日曜の夜は寝るに寝られない
- 彼女から1週間も連絡が来なくて、勉強するに(勉強)できない。
動詞の意向形+にも+可能動詞の否定形
- お金がなくて、旅行に行こうにも行けない。
- 彼が電話に出ないので、「ごめん」と言おうにも言えない。
- 昨日飲みすぎて、頭がガンガンするから、起きようにも起きられない
- 日本語の漢字は複雑すぎて、覚えようにも覚えられない
- 会社を辞めようにも、次の仕事が決まらないので我慢して通勤している状況だ。
- 教科書を全て学校に置いてきてしまい、勉強しようにも(勉強)できない