N1の文法65回目です。比較の意味を表す「<動詞/い形/な形の普通形*+の、名詞>にひきかえ」という文型の意味と例文を紹介しています。
<動詞/い形/な形の普通形*+の、名詞>にひきかえ
*普通形ですが、な形容詞は「<な形容詞>な/である」、名詞は「<名詞>な/である」という形になります。
「Aにひきかえ、B」は「Aとは反対にB」「Aとは大きく変わってB」という意味です。
- AとBは正反対で、良い/悪い という主観的な気持ちがあります。(冷静に比較するのは「Aに対してB」という文型です。)
- A、Bに推量表現は使いません。また後件に「〜ましょう、よう、てください」などの働きかけの表現はきません。
- 「A。それにひきかえB。」というふうに接続詞的に使う方法もあります。
例文
- 同僚がどんどん出世していくのにひきかえ、私はずっと平社員のままだ。
- ペットは私の言う通りにし、とても可愛いのにひきかえ、子どもたちは反抗ばかりだ。
- 姉が掃除好きなのにひきかえ、弟の部屋はゴミだらけだ。
- 兄が好きな人と結婚して幸せであるのにひきかえ、私はずっと恋人ができずにいる。
- 水不足が問題になった去年にひきかえ、今年は雨による被害が続いている。
- 男性は入社後の研修で仕事をゆっくり学べた。それにひきかえ女性は出産で辞める人が多いことを理由として、教育や訓練は十分に行われなかった。