【教案】「テーマ別 中級から学ぶ日本語<改訂版>」第19課「おもいだす」

CHIYO
「テーマ別 中級から学ぶ日本語<改訂版>」19課のテーマは「おもいだす」です。主に「使いましょう」「書きましょう」の文型導入を中心に書いていきます。

新しい言葉

(丁寧に説明する必要がある語彙)

まれ:「とても少ない、珍しい」の意味

当時:過去のある時期のこと

よほど:「かなり、とても」のレベル。話し言葉は「よっぽど」

連想:日本というと、富士山を連想する

〜まみれ:汚いイメージの「付いている」例)ほこりまみれ、借金まみれ

〜風(ふう):様子、態度、雰囲気

こっそり:「他の人に知られないように」の意味

うなづく:首を縦に振る

ようやく:長い間待ったことが来た時、大変だったものが終わった時などに使う

解放:テスト勉強から解放される、人質を解放するなど

生き返る:死にそうだったのものがもう一度息を吹き返す、の意味

乾く:自動詞「〜乾く」洗濯物、のど、など

〜きる:N2文法。最後まで〜するという意味。例)最後の商品を売りきった。量が多くて食べきれない。

どちらにしても:N2文法。使いましょうCで学ぶ。AでもBでも結果は同じという意味。

〜がてら:N1文法。書きましょうA2で学ぶ。

眺める:のんびり遠くを見る、の意味。

〜つつ:N2文法。「ながら」に近い意味。恋人との会話を楽しみつつ、ワインを飲む。

使いましょう

A①:<動詞辞書形/い形+い/な形+な・である/名詞+の・である>限り、〜。

A②:<動詞辞書形/い形+く/な形+で/名詞+で>ない限り、〜。

  • A①は「〜の状態が続いているうちは〜、〜の間は〜」という意味です。
  • A②は「〜なければ〜」という意味です。

田中さんの子どもが風邪をひきました。どうしたらいいかわかりません。医者へ行ってみてもらいます。

医者:食欲はありますか。

田中:はい、ご飯は食べられます。

医者:食欲がある限り、あまり心配しなくても大丈夫です。熱はありますか。

田中:はい、あります。

医者:熱が下がらない限り、学校へは行かないほうがいいでしょう。

田中:わかりました。

**

A:日本語は簡単な言葉ではないのに、学習者は増加していますね。

B:日本のアニメや漫画が人気な限り、学習者は減らないと思いますよ。

A:アニメや漫画を見ていれば、N1も合格できますか。

B:いいえ、ちゃんと文法や単語を勉強しない限り、試験に合格できません。

**

A:日本の新幹線は本当に時間通りにきますね。びっくりしました。遅れることはないんですか。

B:そうですね。大雪が降ったろきや台風の時などは遅れることもあります。でも特別なことがないなら、時間通りにきます。

余程のことがないかぎり、新幹線は時間通りにきます。

「よほどのことがない限り」は「特別なことがない場合は」という意味で、もっと噛み砕いて言えば「ほとんどいつも」の意味になります。

**

A:仕事は大変だなあ。早く辞めて、のんびりしたいなあ。

B:そう?私は今の仕事が好きだから、年を取っても元気である限り、働くつもりだよ。

**

A:ダイエットしても、このお腹だけは全然痩せないんですよね。

B:昨日の飲み会でビール飲んでなかった?

A:ええ、ビールと甘いものはやめられません。

B:甘いものを食べている限り/お酒をやめない限り、ダイエットは成功しないでしょう。

**

明日はJLPTのテストだ。一年間ずっと勉強しました。模擬試験も全て良かったです。

こんなに勉強したんだから、明日の試験はよっぽどのことがない限り合格するだろう。

  • 使いましょうA

B:<こんな/そんな/あんな/どんな>/<文(普通形)>という+ふう+に〜/な<名詞>。

「〜ふうの〜」の練習をします。「〜ふう」はそのスタイルに近い、似ている、フォローしているという意味です。

(写真を準備しておきます。)

西洋風の部屋、和風の家、昔風のヘアスタイル、今風のヘアスタイル

T:(かっこいい人の写真を見せて)田中さんの友達はモデルです。

田中:ああ、かっこいいなあ。あんなふうになりたいな。どんなふうにすればそのヘアスタイルができるの?

友達:こんなふうにすればできるよ。

私の猫です。猫は ご主人は何をしているの/ご飯はまだかな というふうに私を見ています。

彼:それでね、昨日のね・・・

彼女:へえ・・・・

女の人は 時間の無駄だ/早く帰りたい というふうな様子で話を聞いている。

**

授業中です。

先生:今日の説明はわかりましたか。

→学生Aはわかったというふうにうなづいた。/学生Bはわからないというふうに両手をあげた。

作文

あの犬は___________というふうに座っている。

  • 使いましょうB
  • 聴解IABC

C:どちらにしても〜。

「どちらを選んでも/どちらの場合でも 結果は同じだ」という意味です。

<動詞・い形容詞/な形容詞/名詞>の普通形+にしても、<動詞/い形容詞/な形容詞/名詞>の普通形+にしても、〜。

✴︎な形容詞と名詞には「だ」がつきません。

決定の「〜にします」を復習します。みんなの日本語44課

今日のお昼ご飯はラーメンにします。

ホテルの部屋はツインにします。

**

A:今度のヨーロッパ旅行、ヨーロッパかアメリカかどっちにする?

B:(ヨーロッパにしても、アメリカにしても)どちらにしても、飛行機のチケットは早く取ったほうがいいね。

A:Cさんは去年行かなかったけど、今年はどうする?

C:(行くにしても行かないにしても)どちらにしても、今週末までには2人に知らせるね。

**

A:飲み会の場所は会社の近くにする?それとも駅前にする?

B:どちらにしても予算を先に考えないと。

**

どっちにしても(カジュアル)

A:今年はN2にチャレンジしてみようかな。それともN3にしようかな。

B:どっちにしても、もう申し込み期間を過ぎているから無理じゃない?

作文

A:今日のパーティーこの赤い靴にしようかな、白い靴にしようかな。

B:どちらにしても、_________________。

**

A:今の仕事をやめようかな、それとも続けようかな。

B:どっちにしても、_________________。

  • 使いましょうC

D:もっとも<名詞/文(普通形)>といっても〜。

「〜というけれども、その言葉から想像されるイメージと現実は違っている」という意味です。

A:お仕事は?

B:会社を経営しています。

A:へえ!

B:もっとも会社と行っても社員は2人ですが。

A:・・・なるほど。

**

A:昨日日本語を勉強しました。もっとも勉強したと行っても5分だけですけど/アニメを見ただけです。

**

今度引越しするんです。もっとも引っ越しするといっても同じ町ですが。

**

車を買ったんです。もっとも車といっても中古車ですが・・・

**

彼は学生です。もっとも学生といっても自分で会社を経営していて、とてもお金持ちなんですよ。

作文

実は先週入院したんです。もっとも入院したといっても____________。

健康のために運動しています。もっとも_______________。

  • 使いましょうD
  • 聴解IIAB

書きましょう

A-1:どんなに*<動詞て形/い形+くて/な形+で>も、よほどのことがない限り、〜。

<動詞・い形容詞・な形容詞>の名詞修飾型+<名詞+で>の形もあります。

「どんなにーても」は「いくらーても」(みんなの日本語25課)とほぼ同じ意味です。

田中さんはいつもにこにこしていて、文句を言いません。忙しいです。忙しくても文句を言いません。寝不足でも、部長に仕事を頼まれても文句を言いません。

どんなに 仕事が忙しくても/寝不足でも/部長に仕事を頼まれても、よほどのことがない限り、田中さんは文句を言いません。

  • 書きましょうA-1

A-2:「<名詞>がてら<動詞の意向形>か」と言って、<人1>は<人2>を連れ出した/誘った(など)。もっとも<名詞/文(普通形)>といっても、〜。

「<名詞/動詞ます形>がてら〜」の説明をします。(JLPTN1文法)

1.Aの機会を利用してBする。

本文)夕涼みがてら、花火でもしようか。

→夕涼みというメインの目的をする機会に、花火という他のこともするという意味。がてらの前には移動動詞が来ることが多く、移動動詞じゃなくても移動の意味が含まれる。

  • 散歩がてら、コンビニで明日の朝ごはんを買う。
  • 友人を駅まで送りがてら、買い物してきた。
  • 買い物がてら、近所の叔母の家に寄る。

**

2.Aという目的でB。AはBの場所で達成する目的。(BはAの目的場所へ向かうという意味だが、Aの達成だけでなくそれ以外の目的も含んでいる。)

  • 祖母の顔を見がてら、大阪を訪れた。
  • 挨拶がてらおばさんのうちにいく。
  • 休養がてら、旅行する。

散歩がてらコンビニで明日の朝ごはんを買おうかと言って、夫は子どもを連れて出かけた。もっとも朝ごはんと言ってもコーヒーだけだが。

**

「見舞いがてら、部長が入院している病院に花を届けに行こうか」と言って、課長は私を連れて出かけた。もっとも入院と言っても3日だけだが。

  • 書きましょうA-2
  • 速読AB
参考

「がてら」と近い表現の「ながら」「ついでに」「かねて」について

A<動詞ます形>ながら、B。(みんなの日本語28課)

意味:AとBが並行して同時に行われる。Bがどのような状態で行われるのかをAで表す。BがメインでAはサブ。

例文:ポップコーンを食べながら、映画を見る。

A<名詞/動詞辞書形・た形>ついでに、B。(新日本語の中級20課)

意味:Aの機会を利用して、Bする。Aが目的で、その機会にBをするという意味。AがてらBには移動を伴う文という制約があるが「ついでに」はない。

例文:シャワーを浴びるついでに、床を掃除した。

A<名詞>と<名詞>をかねて、B。A<動詞辞書形>のをかねてB。

意味:Bをすることが目的だが、それにはAというもう一つの目的もある。AとBは同じ程度の重要性を持った目的。(メイン、サブの関係が弱い)

例文:日本語の勉強を兼ねて日本のドラマを見る。新婚旅行をかねて、ハワイで結婚式をする。

Chiyo

日本語研究家、ブロガー、母1歳。 関西出身。神奈川育ち。20歳の夏カンボジアで出会った日本語ペラペラの現地ガイドに衝撃を受け日本語教師の道へ。慶應大学卒業後シンガポール3年半→フィリピン半年→共同通信系(アジア経済)記者→日本語別科助教。 2018.9.13 結婚、セブにて挙式 2019.11.21 女の子出産 お仕事の依頼はブログのお問い合わせフォームからお願いします!

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