【教案】「テーマ別 中級から学ぶ日本語<改訂版>」第13課「つかう」

アイキャッチ 「テーマ別中級から学ぶ日本語」
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CHIYO
「テーマ別 中級から学ぶ日本語<改訂版>」13課のテーマは「つかう」です。主に「使いましょう」「書きましょう」の文型導入を中心に書いていきます。本文は事故の内容なので、扱いたくない場合は文法だけ教えると言う手もありです。

新しい言葉

(詳しい説明がいるもの)

未だ:「今まで、まだ」の文語

落ち着く:否定形は「落ち着かない」≒不安だ、イライラする

しまいに:最後に、の意味

なによりも:一番、の意味

愛用:好きで、よく使う、の意味

かえって(反って):反対に、の意味

せきたてる:急げ急げと言う、の意味

見当をつける:大体このぐらいかと考えるの意味

注ぐ:一緒に使う名詞は「水、お酒、時間、愛」など

気に入る:「〜気に入る」と言うふうに使う

遭う:一緒に使う名詞は「渋滞、嵐、問題」など

語りかける:相手に話して聞かせる、の意味

使いましょう

A:<動詞/い形容詞/な形容詞/名詞>の普通形*+はずだ

* 例外で、な形容詞と名詞の普通形は 「な形容詞+」「名詞ー」になります。

みんなの日本語46課で既習です。その復習をします。

導入(な形容詞)

T:リンさんです。中国人です。みなさん、リンさんは日本語が上手だと思いますか

S:わかりません

T:ではリンさんについて教えます。リンさんは日本語を半年勉強したことがあります。リンさんは日本語が上手ですか

S:上手かもしれません

T:ではリンさんについてもっと教えます。リンさんは日本語を半年勉強し、それから1年日本に住みました。リンさんは日本語が上手ですか

S:上手だと思います

T:ではリンさんについてもっと教えます。リンさんは日本語を半年勉強し、それから1年日本に住みました。それから日本の会社で10年働きました。奥さんは日本人です。リンさんは日本語が上手ですか

S:上手なはずです

動詞

A:Bさん、明日はパーティですね。ところで、Cさんも来るんですか

B:Cさんは昨日新しい服と靴を買ったと言っていましたから、来るはずです

**

A:Dさんは来るか知っていますか

B:Dさんは今晩から旅行に行くと言っていましたから、来ないはずです

***

先生:先週のプリントを出してください。

学生A:先生、もらってません。

先生:Aさんは先週ずっと来ていますから、あるはずですよ。

学生A:あ、ありました。

***

A:昨日インターネットで注文した本がまだ来ないんだ。

B:2、3日で届くと書いてあるから、明日には届くはずだよ。

**

い形容詞

A:あのレストランに行こうと思っているんですが、どう思いますか

B:いつも人が大勢並んでいるので、おいしいはすですよ

**

名詞

A:鈴木さんが今何歳か知っていますか

B:去年29歳でしたから、30歳のはずですよ

***

  • 使いましょうA

B:<動詞/い形容詞/な形容詞/名詞>の普通形*からといって、<動詞/い形容詞/な形容詞/名詞>の名詞修飾型*+わけではない。

*普通形ですが、な形容詞と名詞は「〜である」も使われます。

*名詞修飾型ですが。な形容詞と名詞は「」がつかなくてもいいです。また、「〜である」も使えます。

100パーセントじゃない

T:アメリカに住んでいる人は英語が話せますか。

S:はい。

T:そうですね。話せる人が多いです。でもみんなですか。

S:いいえ、わからない人もいます。

T:そうです。アメリカに住んでいる、それだけの理由で、英語が話せると言う意味にはなりません。アメリカに住んでいるからと言って、英語が話せるというわけではない。

**

T:日本語の敬語は少し難しいです。日本語を勉強している人はみんな嫌がります。では日本人はみんな敬語が上手でしょうか。

S:上手じゃない人もいると思います。

T:そうです。日本人だからといって、敬語が上手だという/上手な わけではない。

**

ミラー:田中さん、近くに寿司屋ができたらしいですよ。一緒に行きませんか。

田中:実は、寿司があまり好きじゃないんですよ。

ミラー:ええ?日本人なのに?

田中:日本人だからといって、みんな寿司が好きというわけじゃないよ。

ミラー:そうなんですか。

**

佐藤さんはカラオケが好きです。よく事務所で歌っています。

会社の人:佐藤さん、これからカラオケ?

佐藤さん:いや、映画を見に行くよ。

会社の人:へえ、めずらしいですね。

佐藤さん:普通ですよ。カラオケが好きだからといって、毎日歌いにいくわけではないよ。

**

正しい理由にはならない。

田中さんと佐藤さんはとても仲がいい友達です。お互いよく知っています。最近田中さんがよくケータイを見ています。佐藤さんは思いました。「彼女かなあ」。そして田中さんがトイレに行っている間にケータイを見てしまいました。田中さんは戻ってきて怒りました。

田中:どうして僕のケータイを見てるの?

佐藤:まあまあ、僕たち仲もいいし、おこらないで!

田中:仲がいいからといって、その人のケータイをみてもいい(という)わけじゃないよ。

佐藤:そうだね。ごめんね。

**

アドバイス

AさんとBさんは旅行中です。

A:あれ、パスポートをなくした。どうしよう!!!ああ!大変だ!

B:落ち着いてください。パスポートがないからといって死ぬわけじゃありませんよ。

作文

  1. __________といって、全くしないわけではない。(例:料理は面倒だ)
  2. __________といって、お金がないわけではない。
  3. 〇〇(自分の国)人だからといって、_________わけではない。
  • 使いましょうB



C:<動詞/い形容詞/な形容詞/名詞>の普通形*どころか、<名詞>さえ〜ない。

*普通形ですが、な形容詞と名詞は「だ」がつきません。な形容詞は「な形容詞+な」もいいです。

「Aはもちろん〜ないが、Aよりもっと程度が低い、もっと簡単なBも〜ない」という意味です。

「さえ」の意味を確認

お金がなくておにぎりさえ買えない。

N1の問題は日本人さえわからないこともある。

導入

A:パーティーで素敵な人に会ったって聞いたけど本当?連絡先聞けた?

B:ううん。恥ずかしくて、連絡先どころか、名前さえ聞けなかったよ。

**

A:お昼ご飯食べた?

B:今日は忙しすぎて、ごはんを食べるどころか、トイレに行く時間さえないんだ。

***

A:昨日足に怪我をしたって聞いたけど、まだ痛いの?

B:階段で転んだんだ。痛いどころか、歩くことさえできないよ。

その他

お酒が弱くて、ワインどころか、ビールさえ飲めない。

隣の田中さんは毎日お弁当を持ってきている。私はお弁当どころか、インスタントラーメンさえ作れない。

  • 使いましょうC



書きましょう

A:<動詞/い形/な形/名詞>の普通形+から+<動詞辞書形/ない形>ことにした。初めは<動詞/い形/な形/名詞>の普通形(過去)が、慣れてくると<動詞/い形/な形/名詞>の普通形+どころか、かえって〜。

*普通形ですが、な形容詞と名詞は「だ」がつきません。な形容詞は「な形容詞+な」もいいです。

導入順序

  1. 普通形で文を作ることを説明します。
  2. 「から」は理由の意味であることを説明します。
  3. 「が」の前は過去形になることを説明します。
  4. この文の「と」は「後で」の意味です。
  5. 「〜どころか、かえって〜」の意味は「〜ではなくて、予想とは反対に〜だ」の意味です。

例:日本の物価は高いどころか、私の国より安い。/田中さんはお金がないどころか、会社の社長だ。

→ここでは程度の差ではないので注意。

例:このビルの中は暖かいどころか、暑い。

夫が転勤になったから一緒にアメリカに住むことにしました。最初は大変でした。でも慣れてくるともう全然大変じゃなくなりました。反対に外国の生活は日本より楽しくなりました。

夫が転勤になったから一緒にアメリカに住むことにした。最初は大変だったが、慣れてくると大変どころかかえって生活は日本にいた頃より楽しくなりました。

  • 書きましょうA

B:<動詞/い形/な形/名詞>の普通形+からといって、<動詞/い形/な形/名詞>の名詞修飾型+わけないし、<動詞/い形/な形/名詞>の名詞修飾型+わけでない。

*普通形ですが、な形容詞と名詞は「〜である」も使われます。

*名詞修飾型ですが。な形容詞と名詞は「」がつかなくてもいいです。また、「〜である」も使えます。

T:田中さんは仕事が大好きです。これは遊ぶことが嫌いと言う意味ですか

S:いいえ

T:家族の時間大切にしないと言う意味ですか

S:いいえ

T:田中さんは仕事が大好きだからといって、遊ぶことが嫌いというわけではないし、家族の時間大切にしないというわけでもない。

**

日本語がわかるからといって、敬語が上手に使えるというわけではないし、絶対に文法を間違えないというわけでもない。

**

勉強しないで、ゲームばかりしているからといって、成績が悪いわけではないし、勉強が嫌いなわけでもない。

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書きましょうA-2

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