前回の記事でオンラインで楽しく課題を作るツールについて紹介したのですが、紹介し忘れていたものがあったのでもうちょっと書いておきます。
紹介したいのは会話・スピーキングの課題を出すときに使えるアプリの「nana」です。こちらは自分の録音した音声が投稿できて、その投稿に他の人が音をかぶせる(「コラボする」とアプリ内で言っています)ことができるアプリです。
アプリをダウンロードして、メールアドレスとパスワードを登録すればすぐに使用開始できます。録音する画面を開くとこんな風にマイクの画像が出てきます。左下のボタンを押せば自分の声が録音できます。
こんな風に自分の録音が出来上がりました。学習者は私(先生)をフォローして、この画面から緑色のボタンを押して私の録音に自分の声を入れることができるようになっています。この機能を使ってどんな練習ができるか考えてみましょう。
「T」は先生が課題として録音しておくセリフ、「S」は学習者の回答として想定できる例を書いています。
T:初めまして、私は〇〇です。私は日本語の先生です。どうぞよろしく。
S:初めまして、私は李です。ABC日本語学校の学生です。よろしくお願いします。
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T:私は〇〇です。東京大学で日本語を教えています。趣味は本を読むことと散歩です。好きな食べ物はお寿司です。今東京に家族と一緒に住んでいます。娘が一人います。どうぞよろしくお願いします。
S:私はサラです。アメリカからきました。今は東京大学で日本語と日本の文学を勉強しています。時々レストランでアルバイトをしています。趣味は映画を見ることです。浅草に住んでいます。どうぞよろしくお願いします。
T:お名前は?
S:ジョンです。
T:お仕事は?
S:エンジニアです。
T:家はどちらですか。
S:横浜です。
T:好きな食べ物は何ですか。
S:カレーです。
T:それでは始めましょう。自己紹介をしてください。
S:はい、メイ・ンゴックと申します。ベトナムからきました。本日はよろしくお願いします。
T:メイさんはどうしてこの学校を受けようと考えましたか。
S:日本の自動車技術を学ぶためです。日本は最新の技術力を持つ国で、世界的に有名な自動車会社が多くあります。私の父は国で自動車を修理する仕事をしており、将来は父の後を継いで会社を大きくしてく予定です。ABC自動車学校では現役の技術者の方から最先端の知識を学ぶことができると考え、受験しようと決めました。
T:わかりました。メイさんは現在アルバイトをしていますね。学校に入った後も続ける予定ですか。
S:はい、生活費のためにアルバイトを続けます。ただし勉強の時間を優先したいので、今より勤務時間を減らす予定です。
T:わかりました。今日はありがとうございました。
例:16課の会話
T:すみませんが、ちょっと使い方を教えてください。
S:お引き出しですか。
T:そうです。
S:じゃ、まず、ここを押してください。
T:はい。
(以下省略)
人物を入れ替えて練習。
S:すみませんが、ちょっと使い方を教えてください。
T:お引き出しですか。
S:そうです。
T:じゃ、まず、ここを押してください。
S:はい。
(以下省略)
教室でペアワークさせていることをうちでも復習・予習できます。
筆記は得意だけど、会話は自信がない。または会話だけ上手になれればいいという学習者のニーズに応えられそうですね。使い方もとっても簡単だし「とりあえずやってみるか」という軽い気持ちで使ってみましょう。